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長月(ながつき)9月の法話

本願力にあひぬれば     むなしくすぐるひとぞなき  
    功徳の宝海みちみちて      煩悩の濁水へだてなし  
         
                         『親鸞聖人著;高僧和讃 天親讃13』


皆様、今日は☆早いもので夏も終わりに近づきました。
今年はどんな夏をお過ごしでしたでしょうか?

さて、このホームページも開設して今月で早一年となりました。
パソコンとは全く縁のなかった私が、インターネットという媒体を使って、
仏法をお伝えしたいと思ったのは、私自身が真実の教えに出遇って、
この思い通りにならない人生を、ありのままに引き受けていく勇気を
頂いたからに他なりません。

今、日本では年間3万人以上もの方が、自ら命を絶たれています。
一日約90人、未遂の方はその10倍いると言われています。
つまり、毎日900人近い人が、この人生に絶望し、迷いの世界の中で
真実に出遇うことなく、命を終えようとしていらっしゃるのです。

死にたくて死んでいく人はいません。これ以上生きていくことができないから
死を選ばれていくのだと思います。

私は縁あって、自死したいという方々とお手紙のやりとりをしています。
その殆どのお手紙に
「何故、生まれてきたのか分からない。生きる意味を教えて欲しい・・・」
「この世から消えてしまいたい・・」という文章が記してあります。

精神を患い、パニック症候群やうつ病の治療を受けていらっしゃる方も
少なくありません。

苦しみの原因は人様々でしょう。
リストラや、借金、恋愛問題、病気、いじめ・・・その中には、社会問題
として、救済策を見出していける問題もあります。
でも、その原因が「いのち」そのものに向けられた時、私達人間の知恵では
解決することは不可能です。

お釈迦様は「苦を苦として知る事」が苦を乗り越えていく道だと言われました。
「苦」という言葉は古代インドの言葉、「ドゥフカ」から来ていますが、
その意味には「思い通りにならない」という意味が含まれています。
つまり、私達が苦しいのは、自分の思惑通りに人生が運ばないから・・・
「こんなはずじゃなかった!」と当てがはずれるから苦しいのでしょう。
自分が勝手に作り上げた、理想の設計図のように、現実はならないのです。

私達は蚕(かいこ)が自分の周りに糸を吐き出して繭玉を作っていくように、
自己中心的な心=煩悩が吐き出す、勝手な価値観で作り上げた妄想ですっぽり
自分を覆って生きているようなものではないでしょうか?
その殻を通してしか、外の世界を見る事ができないのです。
それは真実が見えない、迷いの姿そのものです。

その殻を打ち破る事のできるのは、仏の智慧しかありません。
人間の知恵は分別の世界。どこまでも自己を中心に二元化していく世界です。
この「いのち」さえも、「役にたつ命とたたない命」「価値がある命と無価値な命」
に分けてしまう・・
この世界の中で、「価値のない命、役に立たない命」とレッテルを貼られた
人間はどうやって生きる希望を見つけることができるのでしょうか?
きっと生きる事ができないほど、苦しい人生だと思います。

その殻に包まれた自分に気づく事が「苦」を乗り越える第一歩です。
なぜなら、私の作り上げた殻の外の世界には、無量の光と命につつまれた
平等の世界、仏の世界が広がっているからです。
そこでは、あらゆる「いのち」が金色に輝く尊い命なのです。

その殻を打ち破り、本当の「私のいのち」に気づかせてくださるのが、
「本願力」というハタラキです。
この「いのち」を素直に喜べない、感動を持って頷いていけない私の姿が
「悲しい・・」と仏さまが大悲を起こされたお姿そのものなのです。

あらゆる命を無量の光(アミターバ)と無量の命(アミターユス)
に収めとって、決して捨てることのないハタラキ。
この「真実」に出遇う為に、私は生まれて来たのだと思っています。

色も形もないそのアミダの世界から、姿を現してくださったのが、阿弥陀如来。
お念仏(南無阿弥陀仏)となって、私の「いのち」に届いてくださり、
この殻(自我)を打ち砕いてくださるのです。

皆様も本願力に出遇われていますよ。
私もあなたも金色に輝く尊い「いのち」を生きているのです。
「いのち」への感動がそこにはあります。
だからこそ、現実の中で有りのままのこの身を引き受けていく勇気が沸いて
くるのかもしれませんね。お念仏パワー・・私はそう名づけています。


                              南無阿弥陀仏


       
      「いのち」への感動。生きる為のエネルギーです。




         晴れ法座・イベントのお知らせ晴れ


   ☆「光善寺仏教講座」
      9月19日(土)14時より
        なあむ☆サンガ「赤川塾」塾長、恵光寺衆徒
          笑い療法士   赤川 浄友 師
         
        元、堀越学園の「金八先生」と言われた熱血教師から
        僧侶に転身された経歴をお持ちです。
        ピアノを弾き語りしながらのご法話は、テレビに出演
        されたこともあります。
        「自殺対策に取り組む僧侶の会」でご一緒に活動させて
        頂いているご縁で法縁を頂きました。
        どなたさまも、是非、ご聴聞にお越し下さい。無料。            

            
   ☆「英語法座」
      60周年記念『公開講座』
      9月12日(土)午後5時半より 築地別院本堂
        武蔵野大学教授 ケネス・田中 師
         Speaker:Rev.Kenneth Tanaka

        講題「全人類のための精神解放への自然らしさの道」
         Theme:The Path of Naturalness to Spiritual
       Liberation for All People
    初の公開講座です。外国人の方で仏教に興味のある方に
         是非、ご案内下さい。新門様が英語でご挨拶されます。


   ☆「いのちの集い」〜自死遺族の分かち合いの会
      9月24日(木)10時より12時半
         築地本願寺、聞法ホール
              (参加無料、ただし、自死遺族の方のみ)


  

   ☆布教使 眞諦の出講予定
      9月5日(土)14:00より 横浜市 善龍寺 
         常例法座  講題「本願力に遇う」