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霜月(しもつき)11月の法話

  11月は親鸞聖人のご命日法要「報恩講」の季節です☆


                       

今年は浄土真宗の宗祖親鸞聖人が入寂されてから、ちょうど750年の
節目に当たります。


旧歴一二六二年十一月二十八日、親鸞聖人は京都大谷の地で九十歳
お亡くなりになりました。今でも九十歳は長寿ですが、
親鸞聖人が生きた時代、戦争や飢饉などで、男子の平均寿命は
三十八歳と記録が残っていますので、稀なるご長寿だったと
言えるかもしれません。

しかし、長らえる事は、必ずしも幸せとは限りません。親鸞聖人は
八十四歳の時、長男を義絶するという深い悲しみを味わいました


宗祖は、その長い月日を師である法然聖人から受け継いた、
他力念仏のみ教えを後世に伝える為の執筆活動に費やされました。
今、私達がこのお念仏の慶びに出遇う事ができたのも、
の書き残されたご著書のお陰です。

「教行信証」 五十二歳〜七十五歳

「浄土和讃」 七十六歳

「愚禿抄」  八十三歳

「正像末和讃」八十六歳


老眼鏡も電気スタンドもない時代、灯芯の薄暗い灯をたよりに筆を走らせた
宗祖のお姿が浮かんできます。聖人を突き動かしていたものは、
ただ、阿弥陀様の大きなお慈悲に出遇えた慶びを、一人でも多くの人に
伝えたいという思いからではないでしょうか。親鸞聖人は最後まで、
自分の寺を持たず、法然聖人の弟子の一人として生涯を終えられました。

その後、入寂された大谷の地に、関東の門弟達の援助をうけて廟(お墓)が
建てられました。その留守居役を親鸞聖人の子孫が代々受け継いていた事から、
本願寺というお寺が成立したのです。今のご門主で二十四代です。

ですから、ご本山京都西本願寺に行くと、正面左側の建物の方が大きいのに
気づきます。つまり、
「御影堂(ごえいどう)」と呼ばれる、親鸞聖人の

お姿を安置している方が元々の廟の名残として大きくなっているのです。
右側に「阿弥陀堂」という
ご本尊を安置して、初めて本願寺というお寺が
成立しました。ですから、ご参拝の際はまず「阿弥陀堂」
そして「ご影堂」
というのが正式です。


さて、「報恩講」とは、宗祖親鸞聖人のご命日法要の事ですが、
書いて字のごとく、「恩に報いる」法要でもあります。
「恩」という字は「原因」の因の下に「心」という字を書きますが、
自分の為に為されてきた心を知るという意味です。


今、私がこのお念仏のみ教えに出遇う事が出来たのも、
こうして、阿弥陀様のお慈悲の温もりを感じながら、
強く明るく生きられるのも、すべて、親鸞聖人の九十年の
ご生涯あればこそ・・・九歳で出家、越後へ流罪、長男の義絶、
決して幸福だとは思えない苦渋の人生を「慶ばしいかな」と
言わしめたものこそ、阿弥陀如来の本願力に出遇えたご生涯
だったのではないでしょうか。

皆様も、どうぞ、ご家族皆様で、「報恩講」にお参りください。